ハンドメイド作品を作っていて憧れるのが、おしゃれなセレクトショップや雑貨店などでの委託販売。

やっぱり取扱店が多いと、売れっ子感があるよね~!

さてはあなた…委託販売の実情を知りませんね…?
ということで今回は、ハンドメイド作品の委託販売の実情についてお話したいと思います。
そもそも委託販売とは?
委託販売とは、その名の通り店舗に販売を委託する販売方法。預けた作品が売れた場合、販売手数料として代金の何パーセントかを委託先にバックします。ハンドメイド販売が広く認知されてきた最近では、様々なお店で委託販売が行われています。
- 百貨店
- セレクトショップ
- 雑貨屋
- カフェ
- 美容院
- レンタルボックス
最近ではハンドメイド作品を専門に扱い、デパートや百貨店に店舗を構える会社もあるようです。
委託販売のメリットとデメリット

作品を見てもらえる機会が増えるし、委託先でバンバン売れるかもー!
そこから直接注文にも繋がるかも!?
なんて、作家としては単純に夢が膨らみがちですが、もちろんメリットだけでなくデメリットもあります。
委託販売のメリット
- 委託先で売れる可能性
- 作品を見てもらえる機会が増える
- 接客や対応しなくても良い
- 取扱店舗があるとプロフィール欄に書ける
- 有名店の場合はステータスに
委託販売のデメリット
- 販売手数料を取られる
- 委託書や納品書などを用意する手間
- 在庫管理の手間やタイムロスがある
- 送料や交通費が掛かる
- 自ら接客や対応が出来ない
デメリットとして特に大きいのが、販売手数料。実際のところどのくらいが相場なのか知りたい方が多いと思いますが、お店によって10~60%とまちまちです。感覚としてはカフェや美容院などは比較的安く、10~20%程度、百貨店やセレクトショップなど、アパレル系の店舗では50%前後と高めの設定が多いです。
委託販売に耐えうる価格設定が必要
販売手数料(掛け率)が60%と言うと、1000円の作品を販売した場合、600円を委託先にバックしなくてはいけませんから、かなり割合が大きいですよね。作品の価格を付ける際に「原価の2倍くらいで良いかな~!」なんて適当に設定していては大赤字。作品代金が1000円、委託手数料が60%で600円、材料費が500円ですから、100円マイナスです。

価格設定については別のページで詳しく説明しますが、ラッピングやケース、その他いろいろ掛かる雑費などを含めて考えると、委託販売をしたい場合は原価率は20~25%以下で考えておくべきです。1000円の作品で委託手数料が60%の場合600円、原価が20%で200円だとしたら、儲けは200円。
委託販売のために掛かる送料や交通費、手間もありますから、どの程度利益が出るのかしっかり計算する必要があります。
実際のところ、委託販売って売れるの?
「おしゃれな店に置いてもらえば売れるはず!」そう夢が膨らんでいる作家さんも少なくはないと思います。実際のところ売れるのかどうかというのは、委託先の店舗や作品の良し悪しなどによりますし何とも言えません。ただ、思ったよりも売れない…という声を多く聞くのも事実です。
私の場合、今までに経験した委託販売は3つ。それぞれ状況をまとめます。
- ジュエリーのセレクトショップ
- ヘアアクセやアクセも販売する美容院
- 百貨店のイベント
ジュエリーのセレクトショップ
- 20代~50代の女性セレブが中心
- 取り扱う作品の単価2000円~数十万円まで
- 販売手数料10%(ジュエリー系としては異例の安さ)
20点ほど委託させていただき、1か月で5点ほど販売。知人なだけに顔を見せないでモノだけ置いてもらうことが出来ず、移動に掛かる交通費と時間が利益と見合わなかったため終了。ただ、私の性格上義理を通さないことはできなかったので、厚顔無恥か世渡り上手な方なら続けていけるかも?
ヘアアクセやアクセも販売する美容院
- 20代~50代のおしゃれな女性が中心
- 販売手数料20%
- 取り扱う作品の単価2000円~1万円程度
40点ほど委託させていただき、3か月で10点ほど販売。髪をカットするタイミングで売上と作品の入れ替えを行うので、実質交通費は0円。
ファッションリーダー的な女性が経営する個人サロンのため、アクセ系も他の美容院に比べてがっつり接客してくれること、客層と作品テイストがマッチしたため割と売れ行きは好調。
購入してくれた方やショップカードを見た方がInstagramをフォローしてくれるなど発展性もあり。
百貨店のイベント
- 10~60代男女と幅広い客層で、とにかく客数が多い
- 販売手数料50%
- 取り扱う作品の単価2000円~数十万円まで
70点ほど委託させていただき、2週間で20点ほど販売。駅直結の大手百貨店だったため、友人知人なども多く来店して購入してくれました。期間中、販売手伝いとして週1回数時間ほど店頭に立つことも。
期間中SNSのフォロワーが増えたり、その後ネットでの購入に繋がったりはありませんでしたが、集客力に伴う販売力と、ネームバリューが偉大。手数料が割高ですがまとまった数が売れるので、良しとしています。
私が委託販売を何でもかんでも引き受けない理由
私が現在継続的に引き受けているのは、上記の美容院と百貨店のみです(百貨店の方は常設ではなくイベント時だけ)。知り合いの喫茶店で販売してみない~?などとお誘いをいただくこともありますが、基本的には丁寧にお断りしています。その理由は下記の通り。
- 委託書や納品書、商品仕様書の準備が面倒
- ネットで売れているから
- ネットと委託商品とのタイムロスがある
- 実店舗の方が作品の動きが遅い
- 作品入れ替えの際に作品が戻ってきても、旬を逃した感が出てしまう
私はネットで作品販売する場合、シリーズや色違いなどで何点かまとめて出店します。そしてそれは材料の関係で数量限定である場合がほとんどです。委託先で売れ残った作品をネットで再販売する頃には、そのシリーズは既に売り切れてしまって、戻ってきた作品が浮いてしまう…なんてことも。
またタイムロスについてですが、ネットで完売した商品の再販依頼が来て、委託先にはあったけどな~!という場合、「あの商品返していただけますか?」とは中々言いにくいもの。委託先との関係性にもよりますが、期間を決めて契約している場合はそんなことはできません。私の場合はネットの方がはるかに販売ペースが良いので、販売の機会を逃してしまうこともあります。

ネット販売の販売手数料の方がはるかに安いですし(minne10%、Creema8~12%、iichi20%)、やり取りに掛かる手間も楽、作品管理も楽、発展性もある。ただ実店舗という魅力もあるので、その当たりの見極めは慎重に行っています。
ハンドメイド作家を食い物にするような店も!?
最近大手百貨店などに実店舗を構え、首都圏では路面店もいくつかオープンした、ハンドメイド作品を扱うお店。作家の中にはご存知の方も多いのでは?
私もあんな素敵な場所で販売したいー!なんて意気揚々と申し込んだことがありましたが、どうしてもやり口が気に食わなくて実際に販売には至りませんでした。条件的には
- 委託手数料60%
- 作品の審査や作家の面接なども何もない
- 会期までに作品を店舗に送ればOK
- 店舗で販売してくれる人は優先採用(お給料は出ない)
実際に売れている作家もいると思います。ただ、手数料は高すぎだし、店舗を構えるのであればスタッフの労働力や人件費も確保して、作家をタダで使うべきではない。顔を合わせるわけでもなく、メールのやり取りもなく、作品の審査もないなんて、とはじめビックリしました。(正確には審査らしきものはあった)
超有名百貨店に作品を置いてもらえるなら少し損してでも良い!というミーハー(馬鹿)な作家を食い物にしている感があって…取り扱う作品に対しても何のポリシーもなくて、どうしても気に食わない。私は、自分の信念を曲げてまで売ることはない。と、そこでの販売はしていません。

ただ超有名店に作品を置いてもらえる可能性があることは間違いないので、興味がある方は色々調べてみると良いのではないでしょうか。
委託販売は売れない? まとめ

委託販売とは、手数料を払って作品を販売してもらうこと
セレクトショップ・百貨店・雑貨屋・美容院などが行っています。「ハンドメイド 委託 募集」なんかで調べれば委託先はざくざく見つかります。

委託販売が売れるかどうかは、作品と店舗次第
売れる店がある反面、売れない店も多いので、委託先は十分に見極めて。また委託をする場合は販売手数料や諸経費を引いても利益が出るかどうかしっかり計算する必要も。

委託販売よりネット販売の方が楽で儲かる
委託販売の手数料が10~60%なのに対し、ハンドメイドマーケットサイトの手数料は8~20%。在庫管理の手軽さや交通費など諸経費を考えると、ネット販売の方が圧倒的に楽。ただ色々なやり方があるので、自分に合った販売方法を見つけてください。

店舗に置いてもらうって、華やかなだけじゃないんだね…

手数料や手間はもちろん、人付き合いが上手くないと無理だよね!